Index

一体キアヌ・リーヴスは自分を何様と思ってるんだ?

(音楽誌のインタヴュー記事。本当は全訳したかったんだけど、もの凄く長いので特に気に入ってる(?)箇所だけ訳すに留めた。それでもかなり長いし、気持ちとしては全訳気分ということで通し訳のカテゴリーに入れました。 タイトルを見ても判るとおりキアヌ、特に彼の音楽活動に対してとても批判的な内容なので、そういうのに耐えられない方は読まないほうがいいかも。
キアヌ嫌いな人の典型的意見かな、と思ったのと、何気に面白かったので訳したくなったというか)

By Adrian Deevoy

Q, December 1996 (UK)

彼は極めて馬鹿げた名前と極めて出来の悪いバンドと極めてハンサムなほお骨を持っている。ということは誰もが知っている、が、彼は本当に男と結婚したのだろうか?本当にどうしようもない役者なのだろうか?本当に頭が悪いのだろうか?アンドリアン・デーヴォイにはもう一つ質問したいことがある。さあ・・

彼の名前はハワイ語に訳すと大雑把に『山を越える涼しい風』という意味で、”key-ah-noo”と発音する。と書いたからって別にそれを重要と思ってるわけじゃない。それを言うなら奴の名前が『わきの下を通る冷たいラガービール』という意味だって一向に構わないのだ。本当のところを言えば、恐らくハリウッド一動員力のあるスパー・スター、キアヌ・リーヴスについて我々が知りたいことは以下に尽きる:彼は愚鈍なのか?彼はゲイなのか?一体彼のバンドはどれくらいの屑なのか?

・・・・
(キアヌの芸略歴を皮肉っぽく)
・・・・

・・昨年、リーヴスが音楽映画プロデューサー、デヴィッド・ゲッフェンと秘密のゲイ・セレモニーで結婚したという噂があった。

「当人に会ったことさえない」当時リーヴスは言った。「馬鹿馬鹿し過ぎて面白いと思った」

「初めて読んだ時には笑ったよ」今にしてゲッフェンは言う。「だが、一つの理由の故に極めて不愉快だと思った。その噂はキアヌ・リーヴスを中傷するために広められたと感じたからだ。漸く対面した時、私は彼を見つめてこう言った、あの噂、私は嬉しく思ったけど、君もそうだったかい?彼は笑ったね。もしキアヌ・リーヴスがゲイで私に関心を持ってくれたら、死ぬくらい感動するよ。ずっとファンなんだから」

・・・・
(ゲイか否かという噂、そして彼のインタヴュアー泣かせについて)
・・・・

洗練されたものかどうかはともかく、この謎めいたところが彼の魅力の大きな要素であるのは間違いない。そして、この男には確かに人を魅了する力がある。分別ある大人の女がすっかり感傷的になって、みだらな口調で「彼の魂の中に滑り込む」などと口走り、思春期の少女達は恥ずかしげもなくカナきり声を上げる。

その影響力は男性に対しても同様だ。ベルナード・ベルトルッチ監督は、「彼には東洋のものでも西洋のものでもない美しさがある」と評した。ケネス・ブラナーに至ってはひたすら岡惚れ状態だ。「キアヌは本質的に超然としている」ため息。「近づき難いんだ。それがすごく、すごく魅力的だ。しかも、彼は人が望みうる全ての属性を保持しているみたいに見える、とても、とてもエロチックで肉感的存在だ。作品を観ると、彼は時にはとても優しく、時にはとても激しく、時にはとても愉快だ。にもかかわらず、彼の眼の奥の何かが、これに打ち込んでいるわけではないよと告げている。彼はいつも機上の人、どこかに向かっているんだ。最高に好ましくしかも絶対的に近寄り難い、この兼ね合わせはとてつもなく魅力的だ、男にとっても女にとってもね」

この、むむ・・『理解不可能な存在』と会見するため、Qは当時キアヌ・リーヴスが彼のバンド、ドッグスターとフェステバルに参加していたグラスゴーに向かわねばならなかった。・・・・
(ドッグスターの皮肉っぽい紹介)
・・・・

我々はドッグスターとホテルのスィートで初めて対面した。そこでまたしつこく20分しか時間がないことを言い渡される。メイルハウスとドムローズは部屋のソファに座っていたが、リーヴスはまだいなかった。彼らはコーヒーを飲みながら、太った髭面の裏方と無駄話をして時間をつぶしていた。が、そのうちこの髭面が「よし、部屋を引っ掻き回そうぜ」と言うと、それで皆笑った。どう考えても、その笑う時間が長すぎた。それで漸く、この男が裏方のはずはないと気付いた。誰も裏方のジョークでそんなに笑ったりはしない。この栄養の行き届いた髭もじゃの、ミスフィットなジーンズ姿の大男が奴なのだ。この髭男こそがキアヌだったのだ。

華奢でほとんど女性的な存在という一般に行き渡ったイメージはどうなったんだ?完璧な目鼻だちは、しなやかな優美さは、彫像のごとき肢体は?それに、いったいどこで奴はあんな無様なツイードの上着を手に入れたんだ?

・・・・
(ここからインタヴューに入る。本当はここがメインなんだけど、めちゃ長いので潔く全部割愛。キアヌの音楽性自体を疑ってかかる、極めて失礼なインタヴュー内容で、よく我慢して付き合ってるな、と感心する。ま、慣れてるんでしょうね。個人的にはロック・ミュージックにはとんと暗いので批判が的を射ているのかどうかもまったくわかりません。でも、最後の決め↓はユニバーサル) ・・・・

インタヴューの初期に、リーヴスに「来たるべきバンド演奏のことを考えるとあがらないか」と質問した時のことだ。彼は優に10秒以上のあいだ無言だった。それから僕の眼をまっすぐに見つめた。ほんの一瞬、僕はそこにケネス・ブラナーを魅了した孤高の表情を見た、女族の心を奪い少女達を惑わす悩める傷つきやすさ、そしてベルトルッチを魅惑した安息なき美を見た。

「なんですって?」彼は聞いた。

あがるかと聞いたんだよ、キアヌ、君はあがってる?

「ああ、うん、もちろんさ」彼は息を呑み込んだ。「糞も出ないほどびくびくだよ」


Index

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送