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The Matrix ”big heart” beats just for Kim

Oggi (伊) September 1, 2004

その女性は白血病のせいでとても衰弱している。マトリックス三部作のヒーローであるハリウッド・スターの兄は彼女の傍を片時も離れない。二人のいつも変わらぬ優しい姿は、カプリ周辺の浜辺のあちこちで目撃された。

映画業界は後回しだ。愛する妹、キムが必要とするなら、この “handsome and damned”(イタリアでのマイ・プライベート・アイダホのタイトル “Belli e Dannati” の訳)なマトリックス・スター、キアヌ・リーヴスは、何時でもすべてを投げ出して彼女のもとに駆けつける。守護天使のように、妹のためなら何でもするのだろう。一時病状が深刻になった時、彼女の傍にいるために、映画のキャリアをあきらめようかと真剣に考えたことさえある。両親の離婚以来、キアヌに残されたのは、馬養育のエキスパート、か細い体質にも拘わらずきわめて勇敢な女性である、このキムだけだった。キアヌがこう言ったことがある、「あの頃、僕たちに愛を与えてくれたのは愛犬のマスチーフだけだった」と。彼らの父、中国出身のハワイ人地質学者、サミュエル・ノウリン・リーヴスは、麻薬密輸で有罪になり、子供たちより刑務所を見ることのほうが多い有様だった。裕福な英国女性である母親パトリシアは、共にもう一人の娘、カーリンをなした二人目の夫、劇場ディレクターのポール・アーロンとの離婚後は、子供の面倒を見るより世界を飛び回ることを優先するのが常だった。トロントで子守りと共に、子供たちはその幼少時代のほとんどを、三人だけで過ごしたのだ。

兄の演技力を最初に信じ、カナダを離れてハリウッドへ行くよう説得したのはキムだった。「自分では気付いていないけど、兄さんは本当に演技が上手よ」かつて彼女は繰り返し繰り返しそう言ってくれた。その言葉をキアヌは決して忘れない。同様に、彼の人生における最大の悲劇、死産で娘エヴァを失った時、続いて元ガールフレンドのジェニファー・サイムを亡くした時(娘の死後ジェニファーは麻薬を使うようになり、ある晩ロスアンジェロスで致命的事故を起こした)に、あらん限りの愛を持って共にいてくれた彼女であったことも、決して忘れることはなかった。

病気のためにキムはしばしばスイスとパリに行く、しかし、彼女が初めて、再度幸せを見出したのはカプリだった。だからそこに新しく住居を定めることにする。かつてジャッキー・ケネディをも魅了した、島の北部アナカプリにマンションを購入した。見た者の話ではハリウッド・スタイルではない。スイミング・プールだって簡素なものだ。彼女自身の隠れ場、普通の生活ができるオアシスなのだ。キムはここを1997年に初めて訪れた。彼女の病がまだほとんど誰にも知られていなかった当時、兄が彼女のために『素晴らしい処』、マトリックス・スターが以前来て非常に魅了された地中海の島、への友達との旅を手配してくれたのだ。キムがここへ移り住むそもそもの理由のひとつは愛だった。三、四年前まで現地の若者と婚約したように言われていた。が、愛が終わりを告げた後も彼女は、キアヌのおかげでほとんど偶然的に見出した、この楽園の一片に繋がりを持ち続けた。フィリップ・K・ディックの小説からアイデアを得た最新作、『暗闇のスキャナー』のセットを後にして、キアヌと妹のカーリンはキムに合流した。島でキアヌを見かけたファンたちは、新しいガールフレンド、噂によると今年の暮れには彼の妻になる予定の女優、オータム・マッキントッシュの登場をも待ち受けている可能性がある。が、二人は今回は少し落胆することになるかもしれない。キアヌの大きな優しいハートはキムのためだけに高鳴るから。


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