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悲劇の英雄

Cosmopolitan(独)インタヴュー August,2004

俳優としては稀有の成功をおさめた、しかしその私生活は不幸な事件の連続だった。九月でキアヌは40歳になる。

我々を魅了するのはその眼だ。黒く神秘的で、そしていつも少し悲しげな眼。ちょっと覗き込んでみるだけで、あなたはたちどころに彼、キアヌ・リーヴスを抱き締めたくなるだろう。九月二日で、この少年っぽいハリウッド・スターは40歳を迎える・・そう、彼には振り返るべきことが多々あるのだ。俳優としてブロックバスターの頂点を極めはしたものの、彼の私生活は常に打撃と悲劇と死に付きまとわれてきた。トロント育ちのキアヌ・リーヴスはしかし、彼の人生の暗い時間について語ろうとはしない。代わりに、最新作『恋愛適齢期』、次のプロジェクト『コンスタンティン』(2005年2月劇場放映)、ロック・ミュージックへの愛、そしてその他のロマンスについて語る。

若手スター志向の業界にあって、40歳になることに抵抗はありますか?
いや、、もうそんなに若いなんて思ってないから。年相応の気分ですよ。特別な誕生日にはならないと思うな。砂漠で独りで迎えるか、大げさなパーティになるかどっちかってことで。

あなたはカメラに愛されてると言われるけど、それって褒め言葉だと思いますか?
自覚できないけど、でも言われてる意味はわかります。スクリーン上の画像は実際のそれとはかけ離れたものになる。で、おそらく僕の場合、カメラが視覚的欠点を隠す度合いが他の人の場合より大きいってことでしょう。

キャリアの初期からハリウッドの人気者になれるのではという考えはありましたか?
いや、計画など何もなかった、あったのは希望だけです。俳優として仕事ができて、芸をものにできて、良い映画を作れて、ハイ・レベルの演劇作品でステージを踏めればいいなあ、と思っていました。

初めて映画で役を得たのは『栄光のエンブレム』、22歳の時ですね。よし、これで俳優としての立場は確立できた、と言えたのはいつですか?
それ、まだ言えないです、いや本当に。自分に挑戦しているんです。アンソニー・クインがかつてこう言うのを聞きました、「不確かな気持ちからは決して逃れられないだろう。心のうちではいつまでも仕事を探し続けるだろう」と。

初めて俳優として気付かれた時のことを覚えていますか?
もちろんです。友人とアイスクリームを買った時に。1987年の或る暑い日のことで、カウンターの人がアイスクリームの代金を受け取らないんです。「リバース・エッジに免じて」と言ってね。結局アイスクリームをただで貰いました。

俳優の私生活を尊重しない社会に対し、現在どのように対処していますか?
尊厳を持ってあたるよう努めています。台所に裸でいるところを写真に撮るために庭塀をよじ登る人間などいるはずがないと、誰しも思いたいでしょう。出会う人間には全て、少なくとも最小限度の敬意には値する相手だと信じて対します。

有名人の立場で、日々の生活をどのように主管していますか?
外出先でファンに取り囲まれないようにするには、多大なスキルと幸運を要します。ポイントはとにかく目立たないようにすること。もっとも大きなプレミアの前などはなにをしても無駄ですね。車から出たとたん、もう写真を撮られている。

最新作『恋愛適齢期』で、あなたのキャラクターはダイアン・キートンに少なからぬ関心を抱きますね。そういう年上女性に魅了される感覚に同調できますか?
ある程度は。だけど、年上の女性とデートしたことはないですね。済みません、こんなこと言っちゃいけないんだろうけど、年配女性の美がわかるにはかなりの人生経験が必要です。なんのかんの言っても、われわれは若さ礼賛の文化にいるわけだし。若けりゃ良いと思ってるわけじゃないけど・・

真の愛と霊的関係を信じますか?
はい、絶対的に信じています。

ロマンチックという言葉をどう定義しますか?
僕にとってロマンチックとは、他の人と親密さを共有すること、内面を見つめるんだけど、それと同時に外界に対する位置感覚をも楽しむ。ロマンチックとは生命を自覚すること、その一瞬その場に共に存在すること。時には美しい環境がその感覚を助長してくれることもある。でも、この種のロマンチシズムが働くのは気分のいい時だけですね。

だとすると、あなたにはロマンチックな時とそうでない時があるんですね?
よくわからないです。いずれにしても、恋に夢中になるのはとても美しいことだ。そして危険でもある。

十代のころ、ロマンチックな時にどんな音楽を選びましたか?
十代のってどういう意味です?今でもその頃の音楽が好きですよ。レイモンズ、ヴァイオレント・フェム、クラッシュ・・この音楽を発見した瞬間、僕の世界はレベル・アップした。(その音楽で)踊って、生命の脈拍、バイブレートする存在感を感じたんです。

感情のバイブレーションが特に強かった時ってありますか?
ペニーという女性と一緒に。彼女、車にすごいステレオを持ってたんです。スピーカーを取り出して、ルーフの上に装填できる。公園である晩それをやって、一夜踊り明かしました。あれは確かに気分のいい時だったな・・

あなたのバンド、ドッグスターはどうなったんです?
冬眠中です。今僕はベッキーというバンドでベースをやっている。もうすぐ公演予定です。

次の映画、コミック脚色の『コンスタンティン』では誰を演じるんですか?
地獄から逃れようとして、天使との取引をも辞さない死を宣告された男です。僕は彼の神との関係、それは同時に世界との関係でもあるんですが、に惹かれました。彼は怒りとあいまいさに満ちている。特に好きな台詞があります。「神は我々すべてに対し計画を持っている。ある者はその計画を好み、他の者は嫌う」 実に興味深いキャラクターだ。

役を選ぶ時の基準は何ですか?
たいていは内的フィーリングですね。脚本、ストーリー、キャラクターといったものが僕のフィーリングと合致しないといけない。

長いキャリアを経た今でも、新しい人々を自分の生活圏内に受け入れるのは難しいですか?
僕の性格、心、本質はキャリアのせいで変わったりはしていません。僕はいつでも人を信頼します、その価値がないと当人が明らかにするまではね。


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